スポーツ教育学研究
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体育科の授業に対する態度と学習集団機能の関係
中学生生徒を対象にして
菊池 博文梅野 圭史後藤 幸弘林 修野田 昌宏辻野 昭
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1989 年 9 巻 2 号 p. 65-75

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抄録

本研究では中学校生徒を対象に, 体育授業における学習集団機能を測定するための質問項目 (選択基準) 並びにその診断基準を作成し, 態度得点と学習集団機能の関係を対数-線型モデルによるx2法により検討した。
得られた結果の大要は以下に示すとおりである。
1) 生徒の仲間選択の観点として, 「課題達成にもとつく選択」と「成員の親和にもとつく選択」の2因子が男女共通して取り出された。
2) 仲間選択に関する質問項目は, 各因子とも8項目をもって構成された。さらに, 各質問項目における相互選択傾向指数, 個人の最高地位指数, 並びに下位集団指数から, 各指数の評定, 学習集団の因子別機能の診断, 並びに学習集団機能の総合診断の計3種の基準を作成した。これら仲間選択に関する質問項目とその診断基準をもって, 「体育における学習集団機能テスト」を作成した。
3) 上記2) の診断法を94学級に適用した結果, 学習集団機能の総合診断の結果が「アンバランス」となった8学級を除き, 他の学級の診断結果は5%水準で有意に正規分布した。
4) 態度得点と学習集団機能の関係は, 集団機能のレベルが高い場合, 態度得点も高まる可能性の強い傾向がみられた。しかし, 集団機能レベルが低い場合, 態度得点の低下する傾向は認め難く, 「アンバランス」と診断された場合に態度得点は低下した。

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