2022 年 3 巻 3 号 p. 133-138
本研究の目的は, 看護系大学におけるフットケアに関連する科目および教授内容についてシラバスを基に明らかにすることである. 日本看護系大学協議会会員校161校を対象に, 「糖尿病」「フットケア」「足病変」をキーワードとする授業科目と内容, 担当教員についてデータ収集した. 教授内容については構成要素の抽出を行った. その結果, キーワードがシラバスに記載されている大学は全体の10.6%であった. 授業内容の構成要素は, 【糖尿病に伴う足病変リスク】【フットケア看護技術】【患者理解】【看護計画】【療養を支えるフットケア】の5カテゴリーであった.
糖尿病患者へのフットケアに関する講義・演習を実施している大学の半数近くが, フットケアに関連した資格を有する認定看護師や専門看護師が在籍していた. そのため, 看護基礎教育からの糖尿病患者へのフットケア教育の向上には, 認定看護師や専門看護師の活用による臨床との連携強化が重要と示唆された.