日本フットケア・足病医学会誌
Online ISSN : 2435-4783
Print ISSN : 2435-4775
3 巻, 3 号
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第3回日本フットケア・足病医学会年次学術集会のご案内
特集:爪のアセスメントを極める
  • 東 禹彦
    2022 年 3 巻 3 号 p. 105-110
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー
     爪の解剖と役割について簡単に記し, 爪の疾患の分類を簡単に記す. 爪の感染症については, 爪白癬は内服薬による治療を行うべきであることを強調したい. 爪カンジダ症についてもイトラコナゾールの内服が良い. 緑膿菌感染では患部の乾燥化を計ることが重要である. 趾爪に生じやすい陥入爪, 巻き爪では, アクリル人工爪療法が優れている. 厚硬爪, 爪甲鉤彎症は抜爪し, 趾先端の隆起部を下方に下げるようにテープ固定を行えば治癒し, 正常爪になる. 多重爪, 後爪郭部爪刺しについては原因および治療法について記す. 爪部の良性腫瘍の症状と治療法について簡単に記す. 爪部の悪性腫瘍にも注意すべきである.
  • 中西 健史
    2022 年 3 巻 3 号 p. 111-115
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー
     足白癬, 爪白癬に関するアセスメントについて解説する. 足白癬は, 角質の剥離, 角化, 小水疱, 鱗屑, 紅斑など, 多彩な臨床像をとり, それらの特徴について述べる. 爪白癬は, 爪甲鈎彎症, 厚硬爪甲, 周期性爪甲脱落症, 爪甲下角質増殖症, 爪甲剥離症など, 多数の鑑別疾患があり, 爪白癬との相違について概説する.
  • 高山 かおる
    2022 年 3 巻 3 号 p. 116-121
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー
     足は解剖学的に体のもっとも底辺にあり, 足底は唯一地面に接する部位である. また靴という外力が媒介しており, 足の爪はそれら環境に影響をうける. 特に巻き爪や肥厚爪といった爪変形は, 不適切な方向からの圧が関与していることが考えられ, 根本的な改善のためにはどのような力の影響をうけているかのアセスメントが必要である.
  • 加藤 裕史
    2022 年 3 巻 3 号 p. 122-127
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー
     手はものをつまむ, 触るなど外界と最も接する, 重要な役割を持った器官であり, 結果として他の部位と比較して外界からの刺激が多い. そのため指尖, 爪には腫瘍性病変の発生が比較的多く, ウイルス感染を起因とする特徴的な腫瘍もみられる. 特に注意が必要となるのが海外と比較してわが国で多い末端黒子型悪性黒色腫であり, 類似する色素性病変との鑑別が重要となる. 本稿では爪と指尖の皮膚腫瘍について解剖, 具体的な診察法から色素性皮膚腫瘍とその他の腫瘍について各種腫瘍性病変の鑑別, 検査, 治療などについて解説する.
原著
  • 大川 瑞稀, 寺部 雄太, 金子 喜仁, 安藤 弘
    2022 年 3 巻 3 号 p. 128-132
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー
     【目的】包括的高度慢性下肢虚血 (以下, CLTI) の治療は難渋することが多い. その要因の一つとして, 入院時の栄養状態で治療成績が変わってくることがあげられるが, 明確な指標がない. 今回, 入院時の栄養状態の違いによる創傷治療成績を検証し, 統計学的検討を行った.
     【対象と方法】春日部中央総合病院で2020年4月から12月まで入院し治療を行った患者77名 (男性53名, 女性24名, 平均年齢は69.8歳) を対象とした. 対象者の入院時栄養状態は, 栄養スクリーニングツールMNA®-SFおよびGLIM基準を用いて行った. 栄養状態良好群 (以下, 良好群) と栄養状態不良群 (以下, 不良群) の治療結果 (未治癒, 大切断, 死亡) を比較検討した. 統計学的手法はEZRを用いて, χ2 検定を行った (有意差をp<0.05とした).
     【結果】不良群で有意に大切断が多かった (p=0.026).
     【結論】入院時低栄養状態が大切断に関連すると考えられた. GLIM基準はCLTIにおける下肢予後の予測に有用である可能性が示唆された.
資料
  • 濵野 初恵, 城光寺 志保, 山口 徳子
    2022 年 3 巻 3 号 p. 133-138
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は, 看護系大学におけるフットケアに関連する科目および教授内容についてシラバスを基に明らかにすることである. 日本看護系大学協議会会員校161校を対象に, 「糖尿病」「フットケア」「足病変」をキーワードとする授業科目と内容, 担当教員についてデータ収集した. 教授内容については構成要素の抽出を行った. その結果, キーワードがシラバスに記載されている大学は全体の10.6%であった. 授業内容の構成要素は, 【糖尿病に伴う足病変リスク】【フットケア看護技術】【患者理解】【看護計画】【療養を支えるフットケア】の5カテゴリーであった.
     糖尿病患者へのフットケアに関する講義・演習を実施している大学の半数近くが, フットケアに関連した資格を有する認定看護師や専門看護師が在籍していた. そのため, 看護基礎教育からの糖尿病患者へのフットケア教育の向上には, 認定看護師や専門看護師の活用による臨床との連携強化が重要と示唆された.
その他
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