【目的】包括的高度慢性下肢虚血 (以下, CLTI) の治療は難渋することが多い. その要因の一つとして, 入院時の栄養状態で治療成績が変わってくることがあげられるが, 明確な指標がない. 今回, 入院時の栄養状態の違いによる創傷治療成績を検証し, 統計学的検討を行った.
【対象と方法】春日部中央総合病院で2020年4月から12月まで入院し治療を行った患者77名 (男性53名, 女性24名, 平均年齢は69.8歳) を対象とした. 対象者の入院時栄養状態は, 栄養スクリーニングツールMNA
®-SFおよびGLIM基準を用いて行った. 栄養状態良好群 (以下, 良好群) と栄養状態不良群
(以下, 不良群) の治療結果 (未治癒, 大切断, 死亡) を比較検討した. 統計学的手法はEZRを用いて, χ
2 検定を行った (有意差を
p<0.05とした).
【結果】不良群で有意に大切断が多かった (
p=0.026).
【結論】入院時低栄養状態が大切断に関連すると考えられた. GLIM基準はCLTIにおける下肢予後の予測に有用である可能性が示唆された.
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