日本フットケア・足病医学会誌
Online ISSN : 2435-4783
Print ISSN : 2435-4775
特集:膝下領域血管拡張困難症例の次の一手
当院における血行再建困難な包括的高度慢性下肢虚血例に対するPercutaneous Deep Venous Arterialization(pDVA)の手技と成績
宮本 明高木 友誠久原 亮二福田 正浩大浦 紀彦山内 靖隆
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2024 年 5 巻 3 号 p. 152-158

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抄録

 われわれは, 足関節以下の重篤な病変を持つ包括的高度慢性下肢虚血 (CLTI) 例に対し, 日本では未承認のLimFlowシステムに代わって, 標準的なバルーン血管拡張術によるpDVAを実施している. これまでに36例42肢の治療を行い, その手技と成績を報告する. 本法の手技は, 閉塞した脛骨動脈 (通常は後脛骨動脈) を足関節部までバルーン拡張し, 次に足関節部で後脛骨動静脈瘻 (AVF) を作成し, 足底静脈へワイヤーを通過させ, バルーン拡張により足部静脈へ動脈血を灌流させる. AVFはvenous arterialization simplified techniqueを用いて実施した. 対象は, 94.4%が透析例で, 全例足部に傷を有しRutherford分類6が57.1%であった. 手技成功は100%であり, 重篤な合併症はなかった. bail outステントを要した2肢を除き, すべてバルーン拡張のみで手技を完遂した. 術後1年時点での累積大切断回避生存率は47.0%と不良であったが, 大切断は4肢と少なく, 術後1年時点で創傷治癒率は56.0%と妥当な成績であった. バルーン形成術のみを用いた本法は, pDVAの有効な選択肢の一つであると考える.

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© 2024 一般社団法人日本フットケア・足病医学会
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