日本フットケア・足病医学会誌
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症例報告
重度足趾変形に合併した深部感染を伴う足趾潰瘍に対し極小創外固定(ICHI-FIXATOR System)を併用した足趾温存手術
大野 義幸
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2025 年 6 巻 1 号 p. 52-59

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抄録

 皮膚潰瘍と骨髄炎を伴う母趾や足趾の温存治療は困難で, 上肢の母指や手指に比較して安易に切断が選択される. さらに重度変形を伴っている場合にはなおさらである. 足趾切断は短期的には費用対効果に優れているが, 長期的には潰瘍再発や, より高位切断のリスクファクターとなる. 皮膚潰瘍, 骨髄炎, さらに変形を伴う指・趾の温存手術は複雑で母趾や足趾への適応はまれであった. このような症例4例 (男1, 女3), 6趾 (外反母趾MTP関節病変2趾, 第2趾ハンマー趾変形のPIP関節病変4趾) に対して新しい極小創外固定 (ICHI-FIXATOR System) を用いて温存手術を行った. 手術法は皮膚潰瘍と骨病変を切除し, この創外固定器で両骨断端を圧着固定する. 術後, 抗生剤治療を行い, 感染が鎮静化し, 骨癒合, または局所安定化が得られてから通常2-3ヵ月で創外固定を抜去する.
 結果: CLTIの1例で血行再建 (血管内治療) と再手術を要したが, 皮膚潰瘍および骨髄炎は全趾で治癒した. CLTIの1母趾で線維性癒合となったが, 残り5趾で骨癒合が得られた. 骨移植を要した症例はなかった. この新しい創外固定器を用いて皮膚潰瘍, 骨髄炎, 変形を伴った母趾, 足趾の温存治療はより確実に実施できる.

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© 2025 一般社団法人日本フットケア・足病医学会
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