2025 年 6 巻 3 号 p. 119-122
人間の足部は特有のアーチ構造となっており, 他の動物と比較して長距離の歩行を可能にしている. しかしながら人間は生来からこの構造的特徴をもっているわけではない. 人間の足は生まれてから12歳になるころまでに形成されていく. 生後から乳幼児期, 小児期を経て成年に至るまで, その日常生活の中で足部が発達し人間としての足の特徴を獲得していくのであるが, その過程において成人とはまた異なる足部のケアが必要となってくる. 小児に対してよいとされる靴の特徴として, 踵部分がしっかりと高く作製されていること, 靴底のゴムが硬く足趾の部分でのみ折れ曲がること, 足のサイズよりも5-10mm大きいものなどといった点が挙げられる. また成長の過程において疼痛が発生する様態も異なっており, それぞれの年齢に起きやすい疾患などを報告する.