2025 年 6 巻 3 号 p. 135-140
シャルコー関節 (神経病性関節症) は, 糖尿病性神経障害や脊髄癆, 脊髄空洞症, 脊髄髄膜瘤などによって引き起こされる高度な変形を伴う関節症で, 足部・足関節に多くみられる. 知覚障害によって微小外傷を繰り返すことで骨折や脱臼に至ってしまうことや, 自律神経障害によって骨吸収システムや靱帯による関節安定機構が破綻し, 関節破壊が生じることが原因とされている. 変形が進行すると重度の足部変形をきたすことで難治性潰瘍が形成され, 細菌感染を併発した場合には切断を余儀なくされることもある. シャルコー関節の治療目標としては, 切断の回避へ向けてアライメントの矯正を行い潰瘍形成や感染予防を行うことがあげられ, その治療過程で潰瘍部の適切な処置, Total contact castや装具の使用・調整が必要となる. つまり目標達成のためには, 医師のみならず看護師, 義肢装具士などとの多職種が連携してのフットケア介入が重要である. 今回シャルコー関節への介入について, 整形外科的な外科的介入による治療のみならず, 多職種でとりくんでいくことのできるフットケアの視点からも解説をする.