慢性静脈疾患は, 下肢静脈瘤, 浮腫, 皮膚および皮下組織の変化, 静脈性潰瘍までを含む病態群であり, その要因には静脈逆流や閉塞による静脈高血圧だけでなく, 下腿筋ポンプ機能低下や活動性低下も関与する. 特に高齢者や歩行障害を有する患者では, 明らかな静脈逆流や閉塞を認めなくても, 長時間座位や下肢下垂を背景とする機能的静脈うっ滞から, 廃用性浮腫を呈することがある. 診療では, 問診, 視診や触診, 下肢静脈超音波検査に加え, 全身性疾患, リンパ浮腫, 薬剤性浮腫を鑑別し, 患者の「脚の使われ方」を評価することが重要である. 治療は, 器質的静脈疾患への介入, 圧迫療法, 身体活動の維持や回復を目的とした運動療法, スキンケア, 創傷管理を病態に応じて組み合わせる. 慢性静脈疾患の管理には, 多職種が生活機能と治療継続性を共有して支援することが不可欠である.