日本遺伝看護学会誌
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研究報告
娘に血友病保因者の可能性を伝える母の意思
藤井 宝恵宮腰 由紀子藤井 輝久
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2020 年 18 巻 2 号 p. 63-70

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抄録

目的:血友病保因者(以下、保因者)は遺伝学的リスクと一部には潜在的な出血リスクを抱える。保因者の潜在的な出血リスクは、出産に伴う出血時に母子の生命を脅かす。そこで、保因者の可能性をもつ娘に対して、母親の遺伝学的リスク告知の意思と必要な支援を明らかにする。

方法:対象者は血友病患者を兄弟に持つ娘の母親とした。承諾の得られた対象者にインタビューを半構成的質問で行った。調査内容は、①遺伝学的リスクの婚前認知と患者出産後の体験、②娘への遺伝学的リスク告知の意思、③必要な支援とした。インタビューの回答は逐語録化し、内容分析を行った。

結果:対象者は30~50代の女性4人で、遺伝学的リスクの婚前認知者は2人だった。娘は全員が青年期にあり、告知は1人が未実施で、他の3人は実施済だった。対象者らは全員、娘に対し【結婚・出産の前にきちんと伝える】必要性を認識していた。娘に何と言われるか分からない漠然とした不安、遺伝に関する知識不足による不安、告知時期が不明といった不安が強く語られ、【告知が必要ではあるが伝えられない状況】が示された。 必要な医療支援としては、妊娠・出産の悩みは女性の医療者に相談したい【女性の医療者】や包括医療である【出産から患者の治療に至る全体】が示された。

考察:保因者の潜在的な出血リスクに備えるために、告知に悩む家族への医療者による支援の必要性が示唆された。医療者は、保因者の遺伝学的リスクと出血リスクについて理解する必要があると考える。

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