日本在宅救急医学会誌
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総説
新型コロナウイルスSARS-CoV-2 によるCOVID-19 重症化の機序と重症化予測マーカーについて
丹正 勝久小豆畑 丈夫河野 大輔中村 和裕上野 幸廣富田 凉一
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2020 年 4 巻 1 号 p. 38-46

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抄録

 新型コロナウイルスSARS-CoV-2 による重症呼吸器疾患COVID-19 は世界的なパンデミックを引き起こし、い まだ拡大し続けている。本疾患は、飛沫感染、接触感染による感染が主体ではあるが、エアロゾルによる空気感染を否定できない。本疾患の患者のうち約20%が重症化し、急性呼吸不全や多臓器不全を引き起こす。この重症化の原因として、各臓器や組織の血管内皮細胞傷害による血栓形成が大きく関与していることが最近明確となってきた。血管内皮細胞傷害には2つの機序があることが推測されている。すなわち、一つは、SARS-CoV-2 感染による各種免疫細胞の活性化によって生じるサイトカインストームが血管内皮細胞傷害を引き起こす機序であり、もう一つは、SARSCoV-2 が血管内皮細胞表面のACE2 を受容体として細胞内に直接侵入し血管内皮細胞傷害を引き起こす機序である。

 血中D-dimer 値、FDP 値の上昇、PT 延長、および血中IL-6 値上昇は重症化を予測するマーカーとして有用である。

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© 2020 一般社団法人日本在宅救急医学会
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