日本在宅救急医学会誌
Online ISSN : 2436-4738
Print ISSN : 2436-066X
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目次
特集
原著
  • ~横断研究~
    諌山 憲司, 守岡 大吾, 和田 広大, 久保 敦士, 古川 祐太朗, 大野 雄康, 小谷 穣治
    2025 年8 巻1.2 号 p. 81-88
    発行日: 2025/09/30
    公開日: 2025/10/06
    ジャーナル フリー

    【背景】我が国は、災害発生大国であり、被災者だけでなく、消防隊員を含めた災害救援者の心的ケアの重要性が指摘されている。また、近年、多死社会が進んでおり、救急医療において消防隊員は、死生に関連する現場に遭遇しやすい。しかし、その心理的ストレスの現況は十分明らかとなっていない。【目的】死生に関連する緊急的な臨床現場における消防隊員の心的ケアの必要性と心的ストレス状況について明らかにする。【方法】調査票を用いた横断研究。【結果・考察】死生に関連する緊急的な臨床現場における心的ケアの必要性について、消防隊員の約90%が、心的ケアの必要性が「ある」と回答していた。最も心的ストレスが高いと感じる現場は「殺人や自殺」だが、最も心的ケアが必要と感じるのは「同僚の死傷体験」であった。【結語】死生に関連する緊急的な臨床現場において、多大なストレスを受ける消防隊員の日頃からの継続的なストレス軽減対策が必要である。

  • 吉川 徹二
    原稿種別: 原著
    2025 年8 巻1.2 号 p. 89-95
    発行日: 2025/09/30
    公開日: 2025/10/06
    ジャーナル フリー

    【目的および方法】心停止患者におけるアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の普及状況と、ACPで得られた事前指示(AD)が医療行為に与えた影響につき調査するため、当院へ搬送された検死例を除く心停止患者83例に対して後方視的に検討した。【結果】ACPは83例中30例に実施され、ACP実施群は高齢で(p=0.014)、施設入所者(p<0.01)に多かった。在宅では超高齢者、基礎疾患のある患者などに実施されていた。DNAR(do not attempt resuscitation)のAD情報が搬入前にわかれば心肺蘇生を終了できたが、11例で情報が入手できなかった。【結語】超高齢者や基礎疾患のある患者、施設入所者などにはACPは現実的なものと捉えられていた可能性が考えられた。基礎疾患のない人や独居高齢者へのACP実施に課題が残り、搬送前にADの情報がわかるような取り組みも必要と考えられた。

症例報告
  • ~眼科訪問手術車両の作製と実際~
    小出 健郎, 永田 豊文, 福本 和彦
    2025 年8 巻1.2 号 p. 96-100
    発行日: 2025/09/30
    公開日: 2025/10/06
    ジャーナル フリー

    【背景】現在、眼科在宅医療は主に点眼治療と経過観察である。観血的「内眼手術」は医療施設への移動を余儀無くされる。 【方法】今般、眼科手術車両を作製し、1例の訪問手術を施行。車両には手術顕微鏡および手術装置を設置。地方運輸局は「医療防疫車」として許可。保健所が衛生的に問題無しと判断。厚生局には保険診療可能である事を確認。 【結果】症例は、65歳男性。球脊椎性筋萎縮症のため歩行器でかろうじて歩行可。既往:両眼糖尿病性網膜症。夜間離床時に転倒し右眼急激な視力低下。転倒9日後に眼科往診。右眼手動弁(矯正不能)。硝子体出血で眼底透見不能。転倒15日後に患家駐車場にて手術車両内で右眼硝子体手術施行。全身管理は訪問診療主治医と連携。出血源は転倒を契機とした糖尿病性網膜症の新生血管の破綻であった。術後、硝子体出血は消退。術後矯正視力(1.0)。 【結論】患家駐車場にて内眼手術を可能とした意義は大きい。

総説
  • 諌山 憲司, 大野 雄康, 古川 祐太朗, 和田 広大, 久保 敦士, 小谷 穣治
    2025 年8 巻1.2 号 p. 101-106
    発行日: 2025/09/30
    公開日: 2025/10/07
    ジャーナル フリー

    【はじめに】事業継続計画(Business Continuity Plan:以下、BCP)は、災害や感染症などを含めた様々な危機に遭遇した場合でも事業を継続し速やかに復旧する手順等を示した計画である。介護施設・事業所における災害関連死を防ぐためにも不可欠である。しかし、介護施設・事業所にとって、BCP策定の趣旨が十分理解されていない可能性があるため、その趣旨を把握する必要がある。【目的・方法】3つのBCP策定ガイドラインを比べ、共通点・相違点を整理し、先行文献から考察を加え課題を検討する。【結果・考察】主な共通点はサービスの継続提供、相違点は経営や地域に関する用語の頻度の差であった。また、従来の防災活動とBCPの連続的な対応が重要と考えられた。しかし、BCP趣旨の理解不足、地域連携などの課題が残されていると考えられた。【結語】BCPの実効性を上げるには、地域連携BCPが重要と考えられた。

編集後記
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