在宅診療中にTrousseau症候群を発症した2例と、Trousseau症候群による脳梗塞を2回きたした状態から在宅診療を開始した1例について報告する。
【症例1】肺腺癌の38歳女性。在宅診療中に脳梗塞を発症し、病院へ搬送。血管内治療・ヘパリン投与が行われたが、原疾患の進行のため病院で永眠。
【症例2】腎盂癌の62歳男性。在宅診療中に脳梗塞を発症し、病院へ搬送。入院のうえヘパリン投与され、自宅退院後に永眠。
【症例3】2年前に多発脳梗塞を発症し、卵巣癌が判明した58歳女性。脳梗塞再発を経て、在宅医療へ移行。消化管出血、脳梗塞再々発、痙攣などに対し各種治療を行い、約3カ月後に自宅で永眠。
原疾患の予後が厳しくとも、脳梗塞に対しては迅速な初期治療と再発予防・合併症管理を行い、最良のQOLを保つ努力が必要である。
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