日本在宅救急医学会誌
Online ISSN : 2436-4738
Print ISSN : 2436-066X
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目次
寄稿
  • 小豆畑 丈夫
    原稿種別: 学会報告
    2024 年 7 巻 2 号 p. 1-3
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/04/04
    ジャーナル フリー
  • 石上 雄一郎
    原稿種別: 総説
    2024 年 7 巻 2 号 p. 4-7
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/04/04
    ジャーナル フリー

     終末期医療を行っていくうえで、療養場所の選定は非常に重要である。家族と過ごす時間を大切にしたいという思いがある方は、在宅医療を望まれる傾向にある。在宅医療の終末期患者の状態悪化時にどこまで治療を行うか? という課題がある。米国ではdo not hospitalize(以下、DNH)指示があり主に高齢者施設で使われる。DNH指示が不搬送指示に近い内容である。以下のような課題がある。①搬送するかどうかの判断は非常に複雑で予想が難しい、②急変した場合に患者家族は感情的になり考えが変わることがある、③不搬送指示を医療者が入院させない・治療しないことと勘違いする。一方でメリットとしてはDNH指示の話し合いをしていることがきっかけで救急車を呼ぶ前に家族を呼び話し合いをすることができる。Do not attempt resuscitation(以下、DNAR)指示と同様にDNH指示のみではうまくいかず、話し合いのプロセスとしてのadvance care planning(以下、ACP)や医療者のコミュニケーションスキルがセットで必要である。

  • 鈴木 健介, 郡 愛, 小川 理郎, 横田 裕行
    原稿種別: 総説
    2024 年 7 巻 2 号 p. 8-12
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/04/04
    ジャーナル フリー

     救急救命士は、医師の指示の下、重度傷病者に対して、医療機関に搬送するまでの間に、救急救命処置を行うことを業としている。2021年10月1日に改正救急救命士法が施行され、同法第2条第1項において「重度傷病者が病院若しくは診療所に到着し当該病院若しくは診療所に入院するまでの間(当該重度傷病者が入院しない場合は、病院又は診療所に到着し当該病院又は診療所に滞在している間)」と、「救急救命処置」の実施場所が拡大された。在宅救急において、救急救命士が活躍するには、第一に、医療機関で救急救命士を雇用するために、救急救命士に関する委員会を設置し、救急救命士が行う救急救命処置の範囲と指示をする医師を明確にする。第二に、雇用する救急救命士に対して、チーム医療・医療安全・感染対策に関する研修を実施する。第三に、適切な救急救命処置の実施と救急救命士に求められる役割として、地域医療研修を行う必要がある。これら3つの手順を踏むことで、在宅救急で救急救命士が活躍することが可能となる。

  • 瓜生 悠平, 池上 徹則
    原稿種別: 活動報告
    2024 年 7 巻 2 号 p. 13-14
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/04/04
    ジャーナル フリー
原著
  • 藤野 丈貴, 横田 裕行, 鈴木 健介
    原稿種別: 原著
    2024 年 7 巻 2 号 p. 15-23
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/04/04
    ジャーナル フリー

    【はじめに】高齢多死社会を迎えるわが国において、アドバンス・ケア・プランニングを前提に、想定された急変時に蘇生処置を望まない表明をしている場合の対応について、さまざまな会議体で報告がなされている。このような背景のなか、穏やかな最期を迎えられるよう支援することを目的に「看取り介護加算」が策定されているが、その実態については明らかとなっていない。

    【目的】看取り介護加算を算定している高齢者施設では、急変時に救急車を要請せず、当該施設で看取りがなされているかを明らかにし、看取り介護加算の現状と課題について検討することを目的とした。

    【方法】神奈川県が公表する相模原市の高齢者施設241施設を対象としたアンケート調査を実施した。

    【結論】加算群では介護体制のある割合や事前意思確認する割合は高かったが、急変時の際には非加算群と同様に救急搬送している施設が多く、看取り介護加算の本来の目的を果たしていなかった。

症例報告
  • 二ノ坂 建史
    原稿種別: 症例報告
    2024 年 7 巻 2 号 p. 24-27
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/04/04
    ジャーナル フリー

     在宅診療中にTrousseau症候群を発症した2例と、Trousseau症候群による脳梗塞を2回きたした状態から在宅診療を開始した1例について報告する。

    【症例1】肺腺癌の38歳女性。在宅診療中に脳梗塞を発症し、病院へ搬送。血管内治療・ヘパリン投与が行われたが、原疾患の進行のため病院で永眠。

    【症例2】腎盂癌の62歳男性。在宅診療中に脳梗塞を発症し、病院へ搬送。入院のうえヘパリン投与され、自宅退院後に永眠。

    【症例3】2年前に多発脳梗塞を発症し、卵巣癌が判明した58歳女性。脳梗塞再発を経て、在宅医療へ移行。消化管出血、脳梗塞再々発、痙攣などに対し各種治療を行い、約3カ月後に自宅で永眠。

     原疾患の予後が厳しくとも、脳梗塞に対しては迅速な初期治療と再発予防・合併症管理を行い、最良のQOLを保つ努力が必要である。

活動報告
編集後記
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