2020 年 4 巻 1 号 p. 69-78
バイタルサインは簡便に健康状態を把握できる指標として日常的に用いられているが、医療介入の判定に十分に活用されているとはいい難い。今回3カ月間、在宅患者20名に対し毎日のバイタルデータから基準域を平均値±2σで設定し、そこから外れた異常値を検知。スコア分布表に配点し医療リスクのトリアージ(優先度)を出すICT健康管理システム『安診ネット』を用いて遠隔モニタリングを行い、その課題と有効性についてアンケート調査を行った。
その結果、大半の患者が家族の協力により、スマートフォンや通信機能付きのバイタル測定器を使った測定を継続することができ、さらに健康管理への意識変化が出てきているなど有効性が確認された。また訪問診療医からは、 血圧上昇の確認を遠隔から行い、電話による状態確認や往診のタイミングの参考にできる。診療空白期間の患者の状態悪化の察知。訪問前・訪問時に状態確認が可能になるなどの利点があげられた。