抄録
中咽頭側壁癌に対してFK pharyngoscope,拡張型喉頭鏡,内視鏡併用ビデオモニター下手術,細径腹腔鏡手術用鉗子を導入した経口的摘出術Transoral Lateral Oropharyngectomy(TLO)を8例に施行した。T分類はT1 1例,T2 2例,T3 5例で,切除断端は1例を除いて陰性であった。全例,創部の縫縮や再建手術は施行していないが,7例で常食摂取可能となっている。新しい手術環境の構築により,良好な視野の下,安全・確実性の高い手術が可能となり,en bloc切除可能な範囲も拡大した。また術後嚥下機能も良好であり,TLOは中咽頭側壁癌に対する低侵襲治療のオプションとして有用であると考えられた。