抄録
幼齢の閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群(以下OSAHS)症例に対する外科的治療の安全性を検討するため,2004年4月より2008年12月までに当科にて治療をした147例を年少群(0~3歳)と年長群(4~6歳)に分けて比較検討した。検討項目は口蓋扁桃摘出術及びアデノイド切除術の手術時間,術中出血量,術後肺野異常陰影の出現,後出血の有無,術後在院日数である。その結果,年少群のアデノイド切除術において有意差をもって手術時間が短く,出血量が少なかった。他の検討項目には有意差がなかった。以上より幼齢の症例においても,OSAHSに対する外科的治療を安全に行えると結論した。