頭頸部外科
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原著
頸部食道に発生した神経鞘腫例
大高 隆輝坂東 伸幸野村 研一郎高原 幹林 達哉原渕 保明
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2010 年 20 巻 1 号 p. 63-68

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抄録
食道に発生する腫瘍は癌腫がほとんどを占め,良性腫瘍は比較的稀である。今回頸部食道に発生した神経鞘腫の1例を経験したので報告する。症例は69歳女性,左甲状腺腫瘍を指摘され,経過観察していたが,増大傾向があったため精査した。CTでは甲状腺と頸部食道に腫瘤を認め,それらの境界は不明瞭であった。内視鏡では食道右側壁の隆起が認められた。甲状腺腫瘍と食道腫瘍とが併存している可能性を考え,手術を施行した。甲状腺腫瘍は頸部食道と容易に剥離可能であった。拡張した食道を切開し,内腔を観察したところ食道壁内側から有茎性の腫瘤を認め,摘出した。病理組織診断では腺腫様甲状腺腫と食道神経鞘腫であった。
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© 2010 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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