頭頸部外科
Online ISSN : 1884-474X
Print ISSN : 1349-581X
ISSN-L : 1349-581X
原著
頸部リンパ節腫脹を主訴とする前立腺癌症例
上田 大大島 怜子石坂 成康三牧 三郎
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 20 巻 2 号 p. 161-165

詳細
抄録

頸部リンパ節腫脹を唯一の主訴とする前立腺癌症例を経験した。症例は73歳男性。主訴は1か月前からの頸部リンパ節腫脹。リンパ節の生検にて腺房細胞癌と診断し,全身検索を行ったが,明らかな原発巣は不明であった。左頸部郭清術を施行後,外来にて経過観察を行い,再度,原発巣検索のための諸検査をすすめるも,患者が希望せず,術後10か月目に再度の全身検索に同意した。FDG-PETにて前立腺集積,PSA高値のため,前立腺癌を疑い,同部の生検を行ったところ,前立腺と頸部リンパ節の組織型が,一致したため,頸部リンパ節は前立腺癌の転移と判明した。その後,ホルモン療法を施行し,現在,PSAは正常化,頸部リンパ節の再発を認めていない。

著者関連情報
© 2010 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top