頭頸部外科
Online ISSN : 1884-474X
Print ISSN : 1349-581X
ISSN-L : 1349-581X
原著
頸部筋肉内脂肪腫の1手術症例
横山 有希子横島 一彦稲井 俊太酒主 敦子中溝 宗永
著者情報
キーワード: 脂肪腫, 筋肉内脂肪腫, 手術
ジャーナル フリー

2011 年 20 巻 3 号 p. 255-260

詳細
抄録
頸部巨大脂肪腫の1手術症例を報告した。
症例は32歳男性。15年前に自覚した右頸部腫瘤が増大し,ふらつき,首の痛みや喉の圧迫感などを生じるようになった。他院では脂肪腫と診断されたものの,手術合併症としての神経障害を強調され手術は勧められず,結果的には放置されていた。当院初診時,右後頸部を中心に最大径100mmの腫瘤を触知し,CT,MRIから脂肪腫と診断して摘出術を行った。腫瘍は周囲筋肉に癒着していたため,一部合併切除を要した。病理診断は筋肉内脂肪腫であった。術後重篤な神経障害や再発は認めず,術前に認めた様々な症状は消失した。
本症例を経験し,脂肪腫の手術適応基準の検討が必要であると思われた。
著者関連情報
© 2011 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top