抄録
局所麻酔下に施行した気管切開術症例41例につき検討した。原疾患は,悪性疾患が30例(喉頭癌12例,下咽頭癌8例など),良性疾患が11例であった。受診から手術までの期間は,当日が28例,翌日が8例で,両者で36例(87.8%)を占めていた。気管切開術を施行した理由は,気道狭窄が32例,予防的施行例が4例,口腔咽頭出血が4例,その他1例であった。術後合併症は41例中5例(12.2%)にみられたが重篤なものはなかった。予後は,生存17例(41.5%),死亡19例(46.3%),不明5例(12.2%)で,死亡例での気管切開後の平均生存期間は24.4週であった。