抄録
頭頸部がん専門医制度が発足し,すでに第1回の認定試験が行われた。暫定指導医および今回認定された専門医の次の大きな責務の一つは,現在専門医を目指して研修を行っている後進の医師の指導である。専門医委員会では「研修カリキュラム」を制定したが,実際の手術手技の指導法などは各施設に負託しているのが現状であるため,学会としては指導医の指導技術の向上にも貢献していくべきである。その際に参考となるべき事項につき,筆者自身の経験,米国での外科医の教育方法,および国内での他科の外科領域での試みの紹介を行った。今後は実際の指導医や研修医の提言により継続的にカリキュラムやシステムを見直していくことが重要である。