抄録
鼓室内に限局する側頭骨線維性骨異形成症のまれな1例を経験したので報告する。症例は13歳女児。小学校入学時より進行する左難聴にて近医受診し,CTで左先天性真珠腫が疑われため当科紹介された。CTで左中耳内に上鼓室から耳小骨に進展する陰影を認め,MRIではT1WI,T2WIともに低信号で造影効果が認められた。診断目的に8月13日左耳手術を施行した。顔面神経管上にキヌタ骨周囲に沿って膨隆する腫瘍を認め,組織診断にて線維性骨異形成症と診断された。術後,顔面神経麻痺は認められなかった。今後,難聴の進行や顔面神経障害に注意しながら外来にて経過観察を行う予定である。