頭頸部外科
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原著
口腔底癌切除後のInfrahyoid myocutaneous flapによる再建
遠藤 一平吉田 真也吉崎 智一
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2011 年 21 巻 2 号 p. 163-166

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抄録
頭頸部腫瘍手術の再建において遊離皮弁術はその有用性にすぐれ多くの施設で標準治療として汎用されている。一方で,有茎皮弁術も血行の安定性,挙上法の信頼性の点で利用価値が高い。Infrahyoid myocutaneous flap(IHMCF)は上甲状腺動静脈を血管茎とする前頸筋群を主体とした有茎の筋皮弁である。症例は81歳男性で左口腔底の腺様嚢胞癌(T3N1M1)である。肺転移を認めていたが,口内痛が強く経口摂取も困難であったため局所制御目的に口腔底癌手術を施行した。頸部から口腔底癌切除後にIHMCFにて欠損部に逢着した。術後,皮弁上皮の一部に壊死を認めたが局所処置にて改善した。皮弁のdonor部位も一期的に閉創した。術後,口内痛も消失し経口摂取も良好となった。
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© 2011 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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