抄録
頭頸部領域において悪性黒色腫は鼻・副鼻腔に発生することが多く,上咽頭原発はまれである。今回われわれはまれな上咽頭原発悪性黒色腫例を2度の手術と放射線療法,化学療法を組み合わせて治療し,良好な結果を得たので報告する。症例は60歳男性,2か月前から鼻出血を繰り返したため,平成22年3月に当科を初診した。上咽頭に黒褐色の腫瘍と鼻腔後方,中咽頭に粘膜病変を認めた。上顎部分切除に加えて上咽頭腫瘍摘出術を施行し,その後,篩骨洞天蓋の病変に対し,前頭蓋底手術を施行した。さらにDAV療法合計5クールと放射線照射合計50Gyを施行した。術後16か月経過するが肉眼的に病変は見られず,遠隔転移も認めていない。