頭頸部外科
Online ISSN : 1884-474X
Print ISSN : 1349-581X
ISSN-L : 1349-581X
原著
頸部膿瘍の病態に関する検討
河本 愛日高 浩史野口 直哉織田 一葉宮崎 真紀子小林 俊光
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 21 巻 3 号 p. 271-274

詳細
抄録
頸部膿瘍の病態の検討を行うため,2008年8月~2010年7月までの2年間に当科で外科的ドレナージを行った頸部膿瘍38例と同時期の扁桃周囲膿瘍38例について年齢,性別,膿瘍存在部位,喫煙率,原因,検出菌などについて比較検討し報告する。性別は両群とも男性に多く,扁桃周囲膿瘍では20~30代,頸部膿瘍では小児と50歳以上に多い傾向を認めた。喫煙率は両群で高い傾向を認めた。部位は側索咽後部,顎下部に多く,側索咽後膿瘍では広範囲に病変が進展する例を多く認めた。原因は成人では咽頭炎,齲歯が,小児ではリンパ節炎が多く,禁煙や,口腔内環境を清潔に保つことが扁桃周囲膿瘍,頸部膿瘍の予防につながると考えられた。
著者関連情報
© 2012 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top