頭頸部外科
Online ISSN : 1884-474X
Print ISSN : 1349-581X
ISSN-L : 1349-581X
原著
超高齢者の皮膚自壊を伴う耳下腺ワルチン腫瘍の露出例
四宮 弘隆岩江 信法平山 裕次手島 直則
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 21 巻 3 号 p. 287-290

詳細
抄録
要旨:超高齢者の皮膚自壊を伴う耳下腺ワルチン腫瘍を経験したので報告する。症例は98歳男性。十数年前から耳下部腫瘤で,ワルチン腫瘍の診断をうけ,高齢であることから経過観察となっていた。その後近医で度々腫瘍内貯留液の穿刺吸引を施行された。穿刺部位から広範な皮膚自壊をきたし,手術希望で再診した。
皮膚自壊をおこすワルチン腫瘍の報告例はまれである。腫瘍の増大,皮膚外傷,腫瘍の感染,低栄養状態等が複合的に重なることで発生すると考えられる。悪性との鑑別や治療方針を慎重に検討する必要があると思われた。
著者関連情報
© 2012 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top