頭頸部外科
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原著
耳後部膿瘍を契機として診断された先天性外耳道狭窄に合併した外耳道真珠腫症例
成尾 一彦山中 敏彰細井 裕司
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2012 年 22 巻 3 号 p. 255-260

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抄録

10歳女児で耳後部膿瘍を契機として診断された先天性外耳道狭窄に合併した外耳道真珠腫症例につき報告した。幼少時より耳介の変形ならびに外耳道の狭窄と難聴を指摘されていたが,右耳痛・右耳漏に加え,右耳後部の発赤・腫脹も生じたため当院に紹介となった。
耳後部膿瘍に対し切開排膿術を施行し,外耳道真珠腫を全摘後に狭窄していた外耳道入口部に対して拡大術を施行した。先天性外耳道狭窄症は比較的まれであるが,耳漏や耳痛を伴う場合真珠腫の可能性を念頭におき迅速に精査加療を行わなければならない。

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© 2012 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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