頭頸部外科
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原著
鼻副鼻腔乳頭腫の臨床的検討
植木 雄司間多 祐輔今野 昭義
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2012 年 22 巻 3 号 p. 261-265

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抄録
過去9年間に当科で根治手術を行った鼻副鼻腔乳頭腫32例について検討した。性差は男性に多く,平均年齢は57.5歳だった。32例の腫瘍進展度をKrouseの分類で分類すると,T1 5例,T2 11例,T3 14例,T4(癌合併症例)2例だった。手術法はT1では全例内視鏡下鼻内手術を,T2,T3では腫瘍の進展範囲に応じて犬歯窩アプローチやlateral rhinotomyを主に選択した。経過観察期間は8か月~9年間,平均5年3か月で,再発率は10%だった。T4症例(癌合併症例)では2例中1例ではCTで骨破壊がみられず,術前の癌合併診断はできなかった。FDG-PETを施行した内反性乳頭腫6例と癌合併症例2例を比較したが,乳頭腫全例でFDG集積を認め,良悪性診断に関する有用性は認めなかった。
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© 2012 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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