2014 年 24 巻 1 号 p. 45-49
術後性上顎囊胞に対して内視鏡下鼻内手術は,手術治療の第一選択となっているが,術後に閉塞を来たす症例も存在する。Endoscopic modified medial maxillectomy(EMMM)は,下鼻甲介を温存し鼻腔形態を保ちつつ上顎洞への広い視野が確保できる手術方法である。われわれは,2012年1月から12月まで17例20側の術後性上顎囊胞に対して内視鏡下鼻内手術を施行し,その内11側でEMMMを施行した。術後経過観察中に1例1側で再発を認めた。EMMMは鼻涙管の外側で前上方に存在する囊胞に対して有用であった。本術式は,鼻内手術の術後性上顎囊胞への適応をさらに拡大するものと考えられた。