頭頸部外科
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原著
甲状舌管癌の治療経験
杉山 智宣荒木 真美佳福喜多 晃平山田 弘之
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キーワード: 甲状舌管, 乳頭癌, Sistrunk法
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2014 年 24 巻 1 号 p. 89-93

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抄録
甲状舌管癌は甲状舌管に発生した悪性腫瘍であるが,甲状舌管の遺残組織からの原発癌なのか,甲状腺癌からの転移かは,議論のあるところである。
症例は28歳女性,甲状舌管癌が疑われ,Sistrunk法にて腫瘍を摘出した。甲状腺には腫瘍を認めず,甲状腺を温存,甲状舌管の遺残組織原発と考えられた。
甲状舌管癌は甲状腺癌との合併が多いため甲状腺全摘術を同時に施行することを勧める報告もあるが,甲状腺内に腫瘍が認められた場合でも,穿刺吸引細胞診で陰性であった場合には,必ずしも甲状腺腫瘍は摘出する必要はないと考えられた。
また術前診断のために穿刺吸引細胞診,CT等により,術前診断の正診率を上げることが可能であると考えられた。
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© 2014 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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