頭頸部外科
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原著
治療に難渋した降下性壊死性縦隔炎症例
成尾 一彦岡安 唯山中 敏彰細井 裕司
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2014 年 24 巻 1 号 p. 83-88

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抄録
未治療糖尿病(HbA1c(JDS)12.6%)を有し深頸部感染症から降下性壊死性縦隔炎に進展したが胸部外科など各科の協力により救命できた症例を経験した。喉頭内視鏡検査で喉頭蓋と咽頭後壁の腫脹を認め,CRP 60.2mg/dl,頸部CTでは右口蓋扁桃周囲から傍咽頭間隙,咽頭後間隙,縦隔に低吸収域を認めた。頸部ドレナージ,縦隔鏡ならびに胸腔鏡下に縦隔ドレナージを施行した。初回手術より7日後に再度頸部ドレナージと気管切開術を施行した。術後,バンコマイシンによる急性腎不全,急性心不全,薬剤性肝障害,clostridium difficile偽膜性大腸炎,肺炎,貧血,胸水貯留を併発したが,血液透析や輸血など懸命な治療を行い,初診より101病日に後遺症なく退院となった。
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© 2014 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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