頭頸部外科
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原著
甲状腺分化癌高リスク群における甲状腺全摘術後の外来I-131内用療法の経験
岩井 大宇都宮 啓太小西 将矢安藤 奈央美宇都宮 敏生藤澤 琢郎馬場 奨友田 幸一
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2014 年 24 巻 2 号 p. 235-241

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抄録
甲状腺全摘後の甲状腺分化癌高リスク症例に対するI-131の外来内用療法が認可され,われわれの施設でも本法の適応と考えられた22例中19例で実施できた。当初,東日本大震災の福島原発放射能汚染事故に関連し,本法に躊躇される例があった。甲状腺ホルモン休薬法に比しrhTSH(Recombinant human thyroid stimulation hormone,ヒト遺伝子組み換え甲状腺刺激ホルモン)法では合併症が少なかった。19例中3例に局所再発と1例に遠隔転移が認められた。これらの症例はいずれも頸部再発歴があり,再手術のあとにI-131内用療法を受けた症例であった。したがって,今回のI-131内用療法は,甲状腺癌再発症例の再々発予防に対する効果は十分でない印象であったが,さらに十分な症例数と観察期間をもって判断すべきと思われた。
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© 2014 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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