抄録
肘関節脱臼に上腕骨小頭~外側上顆骨折を合併することはまれである.今回,われわれが経験した3例について報告する.受傷時年齢は71歳と83歳と77歳で,3例とも肘関節後方脱臼,上腕骨小頭~外側上顆骨折,内側側副靭帯断裂を認めた.上腕骨小頭~外側上顆骨折に対しては粉砕の程度に応じて,吸収ピン,スクリュー,プレート,移植骨,アンカーを用いて固定した.内側側副靭帯に対しては全例アンカーを用いて修復した.最終経過観察時,疼痛や動揺性を認めなかった.可動域は異所性骨化を来した1例が伸展-35度,屈曲105度と制限を認めたが,残りは伸展-5度,-20度,屈曲135度 ,130度と良好であった.肘関節脱臼に合併する上腕骨小頭~外側上顆骨折に対しては粉砕の程度に合わせた固定方法が必要であり,概ね良好な臨床成績を得ることができた.