頭頸部外科
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原著
耳下腺囊胞性疾患の検討
山田 光一郎田中 信三平塚 康之隈部 洋平渡邉 佳紀吉田 尚生吉松 誠芳
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2015 年 25 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

目的:耳下腺囊胞性疾患における病理組織型の特徴,穿刺吸引細胞診,術中迅速病理診断の有用性について検討した。
対象:2004年4月~2013年3月の9年間に,大阪赤十字病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科にて施行された耳下腺手術症例のうち,術前MRIにて囊胞性疾患が疑われた48例。
結果:良性腫瘍は33例,悪性腫瘍は7例,非腫瘍性囊胞は8例であった。悪性の鑑別に対する有用性として,穿刺吸引細胞診は正診率78%,感度20%,特異度100%,術中迅速病理診断は正診率89%,感度43%,特異度98%であった。
結論:囊胞領域の存在は,穿刺吸引細胞診,術中迅速病理診断の感度を低下させる原因となる。

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