2015 年 25 巻 1 号 p. 9-14
手術治療を行ったstage III,IV下咽頭進行癌29例について検討した。手術術式は下咽頭・喉頭全摘術が27例で,喉頭温存下咽頭部分切除術が2例であった。疾患特異的5年生存率は60.5%であった。29例中15例に術後照射を施行したが7例で再発転移を認めた。予防的頸部郭清については術前にN0またはN1と診断した症例においては健側の予防的頸部郭清が省略できる可能性が示唆された。また全体の潜在的頸部リンパ節転移陽性率は13%であった。ルビエールリンパ節転移症例5例全例に対して術後照射を施行したが4例で再発転移をきたした。ハイリスク症例に対する術後補助療法として化学放射線療法を考慮する必要性が考えられた。