肝転移で発見された両側悪性頸動脈小体腫瘍の1例を経験したため報告する。症例は25歳男性。他院内科腹部CTで肝腫瘤を指摘され,外科にて切除術を施行。病理検査で傍神経節腫肝転移と診断された。FDG-PETで頸動脈分岐部に集積を認め,原発の精査加療目的で当科紹介。画像から両側悪性頸動脈小体腫瘍と診断し,術前にMIBGシンチグラフィ,balloon occulusion testで評価後,摘出術を一期的に施行した。顕微鏡下でのイリゲーターバイポーラが剥離に有用であった。術後長期間経過しても再発の報告があり,慎重に経過観察する必要がある。