頭頸部外科
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原著
声帯内BIOPEX®注入術における組織吸収についての検討
猪狩 雄一大久保 啓介酒井 瑞乃三橋 正継猪野 絢子
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2016 年 25 巻 3 号 p. 339-344

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抄録
当院では一側性声帯麻痺あるいは声帯萎縮症例に対する外科的治療としてリン酸カルシウム骨ペースト (BIOPEX®-R) を用いた声帯内注入術を施行している。平成16年5月から平成26年9月の期間に声帯内BIOPEX®注入術を施行した延べ100例のうち,6か月以上経過観察のできた43例を対象としてCTを用いてBIOPEX®の組織吸収,注入物質の位置について経時的に観察した。注入後のBIOPEX®は移動や排泄されることなく存在しており,一部組織吸収されるが注入12か月後の平均残存率は67.3%であった。BIOPEX®は長期にわたり喉頭内に安定している注入物質であることが示唆された。
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© 2016 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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