抄録
一側声帯麻痺に対しI型単独で治療を行った11例 (以下I型群) とI型に内転術を併用した7例 (以下I型+内転群) について,術前後のMaximum phonation time (MPT),mean flow rate (MFR) およびvoice handicap index (VHI) の評価を行った。
I型群とI型+内転群のいずれも術後にMPT,MFR,VHIの有意な改善を認めたが,両群の術後の成績を比較した場合,I型+内転群ではI型群に比較してMFRとVHIが有意に改善した。
これらの結果から一側声帯麻痺に対しては,I型と内転術の併用がよりよい音声の改善に寄与するものと考えられた。