2016 年 26 巻 2 号 p. 191-195
口蓋扁桃摘出術は,耳鼻咽喉科医が最初に取得する手術手技の一つであるが,必ずしも安全とは言い難く合併症の術後出血も決して少なくはない。そこで,手術手技の改善や合併症の軽減を目的に,口蓋扁桃摘出術にカメラシステムを導入しその有用性について検討を行った。執刀医,指導医,看護師を対象とした術後のアンケート調査では,カメラシステムを用いた口蓋扁桃摘出術では,術野の共有ができるメリットが明らかとなった。また,カメラシステム未使用例との術後出血の頻度の比較においては,術後出血が減少する傾向にあり,かつ術後24時間以内の出血は認めなかった。