頭頸部外科
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症例
NIM-tubeの影響で一過性声門下腫脹を生じた2例
佐藤 伸也森 祐輔横井 忠郎高橋 広山下 弘幸
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2016 年 26 巻 2 号 p. 243-246

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抄録

今回,甲状腺手術のNerve Integrity Monitoring(NIM)使用例において声門下腫脹をきたした症例を2例経験したので報告する。症例1は49歳女性で,甲状腺全摘D2a郭清施行後に呼吸苦を生じた。経鼻喉頭内視鏡検査で声門下腫脹を確認したが呼吸苦は徐々に改善し,気切することなく術後5日目に軽快退院した。症例2は81歳女性で,甲状腺全摘D1郭清施行直後より喘鳴を生じた。経鼻喉頭内視鏡検査で右声帯麻痺と声門下腫脹を確認した。呼吸苦の訴えが強く,入院期間が延長したが,気切することなく術後7日目退院した。NIM tubeの外径が太く硬いことが2例の声門下腫脹の主たる原因と考えられた。

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© 2016 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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