頭頸部外科
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症例
甲状腺に転移をきたした原発性肺癌の1例
小松﨑 敏光江川 峻哉池田 賢一郎櫛橋 幸民池谷 洋一浜崎 泰佑古川 傑水吉 朋美浅野 雅世小林 一女嶋根 俊和
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2016 年 26 巻 2 号 p. 247-251

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抄録

今回われわれは,原発性肺癌疑いの精査でCT検査を行ったところ甲状腺に腫瘍を認め,穿刺吸引細胞診の結果悪性腫瘍と診断し,摘出術を行った。病理組織学的結果は,肺癌からの転移性甲状腺癌と診断した症例を経験した。
転移性甲状腺癌は進行すると,呼吸や摂食に関係し,その後患者のQOLを著しく低下させるため,原発腫瘍の治療状況,全身状態,PS,腫瘍を摘出してその症例のQOLが向上するかどうかを総合的に判断して治療にあたるべきと考えられた。本症例のように急激な増大を認める症例もあり摘出時期を逸しないことも重要と考えられた。

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© 2016 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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