頭頸部外科
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原著
当科での喉頭癌T3治療
水田 匡信吉田 充裕岩永 健藤原 崇志吉澤 亮佐藤 進一玉木 久信
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2020 年 30 巻 2 号 p. 193-198

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抄録
当科で2007年4月から2019年3月までに根治治療を行った喉頭癌T3症例は35例あり,観察期間中央値は35か月であった。喉頭全摘出術が18例(Ope群)で,放射線療法が17例(RT群)で行われ,全体の3年粗生存率は74%,RT群の機能的喉頭温存生存率は27%であった。Ope群とRT群の患者背景には有意な差を認め,Ope群ではRT群と比べN2症例および高齢者が多かった。またCRTを行った13例の中でCDDP総投与量が200mg/m2以上であったものは2例のみであった。喉頭温存率の改善が今後の課題であり,中でもN2症例での治療法選択及びCRT時の併用CDDP投与量の検討を要すことが確認された。
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