抄録
医療の質を高めることには益々関心が高まっている。その中でも,医療安全(患者安全)を確保する取り組みは,その中心的な位置を占める。診療業務の中に次々と医療安全の取り組みが導入されてきた中で,それらが医療の質や安全の確保の全体的な枠組みの中でどのような位置を占めるのか解説する。特にインシデント報告について述べたい。演者は日本医療機能評価機構やISQua(国際医療の質学会)における活動を通じて,医療の質・安全がわが国における重要な課題となっているだけでなく,グローバルイシューとなっていることを感じてきた。このような医療の質・安全に関する国際潮流についても併せて解説する。