頭頸部外科
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原著
咽喉頭がん経口的鏡視下手術時の切除後創面に対するポリグリコール酸シートとフィブリン糊による被覆法の安全性
渡邉 佳紀平塚 康之安里 亮田中 信三吉田 尚生草野 純子田口 敦士田中 千智
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2020 年 30 巻 3 号 p. 325-332

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抄録
咽喉頭がんに対する経口的鏡視下手術では,創面は被覆されず,出血,皮下気腫など報告がある。われわれは,口腔咽頭がん切除後の被覆法:MCFP(Mucosal defect covered with fibrin glue and polyglycolic acid sheet)を2010年から用い,咽喉頭用に改変し,安全性を検討したので報告する。対象は,当科で本法を用いた112例。平均年齢65歳。下咽頭癌(58.9%),T2病変(62.5%)が多く,深部浸潤癌が72.3%,扁平上皮癌が98.2%であった。合併症は出血2例(1.8%)のみで,非被覆法と比し低かった。本法は,経口的鏡視下手術後創面の安全な被覆法といえる。
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