抄録
当科で治療を行った下歯肉扁平上皮癌症例25例の臨床的検討を行った。当科の治療は根治的切除を主体とし,頸部転移症例や頸部転移を認めなくとも原発巣切除後に遊離皮弁による再建手術が必要な場合は頸部郭清術を行っている。また術後永久標本の所見で切除断端近接や陽性症例,pT4症例,複数のリンパ節転移陽性例やリンパ節の被膜外浸潤陽性症例を術後治療の適応とし術後化学放射線同時併用療法を60Gy施行している。5年粗生存率は全25例で63%,pT2,pT3症例とpT4症例では69%/61%,pN0症例とpN+症例では100%/27%でpN+症例は有意に予後不良であった(p=0.0003)。