抄録
症例は58歳,男性。維持透析中,右頸部リンパ節腫脹を主訴に生検予定であったが,右口蓋扁桃に腫瘍性病変を認めた。DWIBS施行したところ,中咽頭癌の頸部リンパ節転移を疑う像であった。口蓋扁桃生検の結果は扁平上皮癌でp16陽性であった。中咽頭癌(T2N1M0)で根治的放射線療法施行した。治療後1年経過し再発を認めず経過良好である。DWIBSは,入院精査のため医療経済的にも優れておりPET-CTと比べて遜色ない検査法であった。また,造影剤や放射線被爆がなく,糖尿病の影響も受けず,負担の少ない検査法であった。