2022 年 31 巻 3 号 p. 253-256
魚骨異物は,視診や内視鏡検査で確認されることが多いが,口腔や咽頭の粘膜下に迷入した場合は,診断および摘出が困難となることが多い。今回われわれは舌内に迷入した魚骨異物を経験したため報告する。
症例は,87歳男性。主訴は舌違和感。魚骨誤飲後約1か月に近医耳鼻咽喉科を受診し,CT検査にて舌内に迷入した魚骨が疑われたため当科紹介となった。視診上は異物を確認できなかったが,CT検査や超音波検査にて舌内に迷入した異物を確認できたため,全身麻酔下に術中超音波検査にて異物を同定しながら摘出を行った。
比較的希な舌内に迷入した魚骨異物症例を経験した。本症例では,術前CT検査での検出や術中超音波検査での同定が有用であった。