頭頸部外科
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手技・工夫
難治性出血を伴う頭頸部癌皮膚浸潤症例に対するMohs軟膏の使用経験
~手技工夫と考察~
佐原 利人安原 一夫向井 俊之寺村 侑髙野 智誠
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2021 年 32 巻 1 号 p. 97-103

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抄録

頭頸部進行癌の皮膚浸潤や転移を呈した症例では出血,悪臭,疼痛などの症状を伴い著しくQOLを損なうが有効な治療手段がないのが現状である。塩化亜鉛含有であるMohs軟膏を使用することによって腫瘍を化学的に固定し出血や疼痛などを抑えることが可能であり,近年は頭頸部を含む複数の領域においてその緩和治療としての使用経験が報告されている。
今回,われわれは止血困難な中咽頭癌転移リンパ節の皮膚浸潤症例に対し,腫瘍へ直接Mohs軟膏を塗布する従来の手法では止血困難であったが,ガーゼを用い手技を工夫することにより出血を制御することができた症例を経験した。Mohs軟膏使用における頭頸部領域特有の注意点や従来のMohs軟膏塗布の手技も含め報告する。

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© 2021 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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