下咽頭原発巨大軟部腫瘍の2例を経験したため報告する。
患者1は61歳男性。下咽頭輪状後部に表面平滑な有茎性の軟部腫瘍を認めたが,喉頭への嵌頓はなく待機的に手術加療を行った。術後病理検査で,巨大血管線維ポリープの診断となった。
患者2は60歳女性。嘔気・嘔吐を契機に腫瘍が口腔外に突出し,搬送となった。下咽頭後壁に2本の表面平滑な有茎性の軟部腫瘍を認め,気道狭窄の危険があり緊急手術を施行した。術後病理検査で高分化型脂肪肉腫の診断であったが,再発なく経過良好である。
下咽頭原発の巨大軟部腫瘍は,極めて稀な疾患であるが,喉頭への嵌頓に伴う窒息の可能性があるため,緊急手術を要することがある。
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