頭頸部外科
Online ISSN : 1884-474X
Print ISSN : 1349-581X
ISSN-L : 1349-581X
手技・工夫
下鼻甲介粘膜移植が再狭窄予防に有効であった後天性後鼻孔閉鎖症例
雨皿 和輝中野 友明中濵 千晶金村 信明
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 32 巻 1 号 p. 85-89

詳細
抄録

後天性後鼻孔閉鎖症に対して内視鏡下鼻内手術を行った1例を経験したので,報告する。症例は78歳女性で,鼻閉を主訴に当院受診した。鼻内内視鏡検査および頸部CT画像検査所見で後鼻孔の膜性閉鎖を認めた。成人期より症状が生じており,梅毒感染症の既往歴があることから梅毒を契機とした後天性後鼻孔閉鎖症と考え,内視鏡下鼻内手術を行った。術後再狭窄を認め,12か月後に再度内視鏡下手術を行ったが,再狭窄予防にステント留置と下鼻甲介粘膜移植を行った。ステントを留置していたが,作成した後鼻孔はステント径より大きく,下鼻甲介粘膜移植により開存が維持できているものと考え抜去した。13か月の時点で後鼻孔は再々狭窄なく経過しており,下鼻甲介粘膜移植が狭窄予防に有効であったと考えられた。

著者関連情報
© 2022 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top