頭頸部外科
Online ISSN : 1884-474X
Print ISSN : 1349-581X
ISSN-L : 1349-581X
原著
当院における頭頸部扁平上皮癌の遠隔転移に対する検討
濱口 宣子石永 一千代延 和貴竹内 万彦
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 32 巻 2 号 p. 125-130

詳細
抄録
頭頸部扁平上皮癌遠隔転移例の治療には手術,放射線,化学療法があるがその治療内容に関するコンセンサスは得られていない。頭頸部扁平上皮癌遠隔転移病変に対する治療群を手術加療,非手術加療に分類し治療成績を検討した。1年および3年生存率は手術加療群で100%,86.4%,非手術加療群で88.9%,19.2%であった。手術加療群は予後良好であり,また特記すべき合併症も認めなかった。原発巣の制御,転移巣が切除可能な病変,かつ比較的全身状態が良好であることが手術を施行する上での前提ではあるが,外科的切除は安全に施術可能であり,予後の改善に寄与する可能性が示された。治療法の進歩に伴い遠隔転移には集学的治療の重要性が増しており病勢を考慮した治療方針の提案が必要であると考えられた。
著者関連情報
© 2022 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top