抄録
腫瘍の診断と良悪性の鑑別は病理診断の最も重要な課題であり, HE染色標本による組織形態学を基本としているが, 最近では様々な技術が病理診断に取り入れられている. 特に癌の診断では, 免疫組織化学 (Immunohistochemistry; IHC) やFISH (Fluorescence in situ hybridization) を用いた検索がルーチンの診断に欠かせないものとなってきている. 本稿では, 病理診断に関連した知識が頭頸部領域の実地臨床においても有効と考えられるテーマを紹介したい.